学会長挨拶

第53回四国理学療法士学会 学会長
藤井 保貴
(医療法人社団 聖心会 阪本病院)
我々理学療法士は、2025年問題に向けて地域包括ケアシステムの構築を目指し、特にこの10年では、機能分化の中での専門性の追求と地域で活躍できる人材育成に力を入れてきました。そして多職種連携を進化させ、継続的かつ包括的な医療介護サービスを提供できる体制が整ってきたと思います。また予防の段階でも理学療法士には大きな役割があり、行政と共に健康な地域づくりのために活動することが増えました。2025年に到達した今、現状を振り返り、地域包括システムの更なる深化が必要になります。一方で、理学療法士が活躍する場は子どもから大人から高齢者までの全世代に広がりを見せ、予防、介護、福祉、健康増進、災害支援、産業に至るまで多様化したニーズが求められています。
私たち理学療法士は身体づくりの専門家として、どの領域においても総合的な課題を捉え、解決に向けた取り組みによって、ひとの暮らしの「あたりまえ」を支えることができます。このような多様化した社会からの期待に応えるために、全ての理学療法士が、自分自身の理学療法士像と向き合い、自らの技能と資質向上に努めることが不可欠です。今よりもより深化した理学療法を提供でき、より進化した理学療法を展開することができれば、間違いなく社会からの信頼は厚くなり、期待は大きくなります。本学会が、理学療法士のもつ専門性を更に深く掘り下げ、次のステップへ繋げるためのきっかけになればと考えております。
そこで第53回四国理学療法士学会では、テーマを「理学療法の深化と進化」とし、多くの理学療法士の方の臨床に役立つよう、多様な分野でご活躍の先生方に講演を依頼し、2題の特別講演と3題の教育講演を企画しております。
また本学会の開催方法は対面形式とし、若手・中堅・ベテランの全ての世代から参加していただき、それぞれの立場で声を上げ、理学療法の熱量を肌で感じ、称えあい、大いに議論していただける学会になることを期待しています。